2022年3月3日(耳の日)にあいち補聴器センター代表天野慎介の特別連載が東海愛知新聞に掲載されましたのでご紹介いたします。
今回は「補聴器になじむ方法」についてです。

補聴器になじむ方法
今回は、補聴器になじむ方法について書きたいと思います。
補聴器をつけても初めから上手くいかない場合もあります。
耳の中に補聴器が入りますので物理的な違和感が強く出る方もいらっしゃいます。
なじむには時間がかかる
補聴器をつけた最初のうちは、雑音がきになるかもしれません。
肝心の人の声がうまく聞こえない。耳がかゆくなったり、痛くなったりする方もいらっしゃいます。
お耳に装用するにも慣れてなく、うまく補聴器が入らず音がピーと漏れてしまうこともあります。
補聴器をうまく使いこなして聞き取りやすくなる実感が生まれるのはある程度時間が必要となります。
時間がかかる理由
- 最初は脳が必要な音と雑音が区別できない。
少しづづ聞きづらくなってくると音や言葉が聞きづらい状態に慣れてしまいます。
脳はいろいろな音から自分に必要な音を選ぶことをしていますが、聞きづらくなるとその判別がつきにくくなります。
補聴器をつけたはじめは、様々な聞こえなかった聞きづらかった音が入ってきます。
例えば、車の走る音。トイレの水洗の音。自身の歩く靴の音。
これらは雑音と呼ばれる音ですが、昔は聞いていた音でもあります。
当時は、聞こえていたが気にしていなかった音でもあります。
したがって、補聴器をつけて最初は世の中が賑やかくなりますが、なじんでくると雑音と呼ばれる音は気にならなくなってくるのです。 - 耳に補聴器が入っている違和感
できましたら人差し指をお耳に入れて、お話したり、あいうえお、かきくけこなど声を発してみてくだい。
きっとこもったり響くなど違和感があると思います。
補聴器をつけるとこの物理的違和感は必ず起こります。
メガネでも最初はツルの部分や耳にかける部分の乗っている違和感があると思います。
この物理的違和感になじむのにも早い方で2週間、長い方だと毎日補聴器をつけても3か月かかる場合があります。 - 最初は弱めの調整をしている
補聴器をつけても、あまり言葉が聞こえない。
声がまだ聞き取りづらいと思われるかもしれません。
一般的に初めての補聴器装用の場合、利得(音の大きさ)を抑えぎみに調整します。
急に目標の大きなにしていまうと、様々な音が入ってきたりして脳がびっくりしてしますからです。
補聴器は階段を上るようにして馴染んできてから、物足りないなっと思われてから大きくしていくと馴染みやすいです。
お勧めのなじませ方
- できるだけ長く使ってください
補聴器をつけ始めは違和感がありますが、毎日できるだけ長く(それこそ朝起きてお休みになるまで)使われると馴染むのが早くなります。
しかし、お耳につけていて痛みや、音が大きくて頭が痛い場合はつけるのをやめて補聴器屋さんに相談してください。 - 雑音は本当に雑音ですか?
補聴器をつけると世の中が賑やかになります。
しかしそれらはすべて雑音でしょうか?
車の走る音が聞こえなくなったら危なかったり、時計の秒針の音はそこに存在しますよね。
声以外にも色々な音を聞くことで人生が豊かになる。
そんな気持ちで補聴器をつけると馴染むのも早くなります。 - 補聴器屋さんに調整してもらいましょう
そうは言っても雑音がうるさすぎたり、ピーピーハウリングしていたら補聴器はつけたくなくなりますよね。
現在の補聴器は高性能で、様々な音に合わせた調整が可能です。
音に関して気になったこと、我慢できなことはお気軽に補聴器屋さんに相談して調整してもらいましょう。
新しいお耳を一緒につくる
補聴器をつけたからといってすべて完璧に聞こえる、若いころのように聞こえるようになるかは難しい可能性があります。
馴染むのにも時間がかかります。
補聴器は新しいお耳を一緒につくっていく。
そんなイメージでご一緒に聞こえの改善ができれば幸いです。

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